関節リウマチについて


larest update: 2006.11.29

 近年、関節リウマチに対する認識と治療法については著しい変貌振りである。かつ て、リウマチは治癒せず、いかに良好な状態にコントロールするかが医者の腕の見せ 所であった。しかし、認識を改めなくては成らなくなりそうである。つまり、”治 る”患者が増えてきたからである。それは、MTX(リウマトレックス)生物製剤(レミケード、エンブレムなど)の出現の賜でもある。ただし、ま だまだハードルは高い。生物製剤に潜む極めて危険な側面が解決されていないからである。

 リウマトレックスは当初、それ以前のメソトレキセート時代に多発した致死的間質性肺炎などの副作用に怖れをなして普及が進まなかった。厚生労働省も強く 注意を喚起しリウマチ専門医以外の汎用を抑制した。その甲斐有ってか死亡例は案外 少なく、投薬継続期間の最も長い薬剤として認識を新たにされつつある。つまり、効 果の不確かな薬剤や副作用の強い薬剤は長続きしない。長期間処方されると言うこと は、とりもなおさず、効果が確かで、副作用が案外に少ないと言うことに他ならな い。そこで、リウマチセンターなどでは、リウマトレックスを第一選択薬とし、強い薬で当初か ら叩き、次第に緩やかな治療に移行するステップダウン方式が主流になろうとしてい る。

 ただ、先進的医療可能なリウマチセンターならいざ知らず、末端の開業医にとって は、やはり石橋を叩いて渡る必要がある。軽症のリウマチに対しては、より安全な薬 剤を第一選択とし、それでダメなら次に進むという従来通りのステップアップ方式である穏当な作戦を選択せざるを得ない。そこで第一選択薬はアザルフィジンと言 うことになる。次に進むべき状況となればリウマトレックスを選択する。

 それでだめならリウマチセンターを紹介して、生物製剤を注射してもらうことになるだろう。望むらくは、より安全な薬剤が開発され、われわれ開業医でも投与できる様になりたいものであるが、現時点ではあまりにリスクが大きすぎる。地域の要請が有れば、地域ぐるみでネットワークを構築して、対応できるようにすることも考えられるが、それなりの覚悟も必要である。

 現時点でリウマチ医として果たすべき役割は、早期リウマチの診断と、放置すればやがて起きるであろう関節破壊を、未然に出来るだけ防ぐ努力を惜しまないことであろう。